ななつ星

2013 年 12 月 27 日

ななつ星
はじめてこの言葉、この名前を聞いた時にすぐにはピンとこなかった。てんとう虫のこと?
今年の流行語大賞でエントリーされたことで何のことか分かった。

ななつ星
九州旅客鉄道(JR九州)が10月15日から運行を開始した豪華寝台列車。3泊4日もしくは1泊2日のスケジュールで、九州を周遊する。
旅行中は列車内に滞在して宿泊するのみならず、由布院など九州の人気観光スポットに停車して観光もする。旅行客にあらゆるおもてなしを提供して、1部屋2人の1人分料金は最高55万円と高額。にも関わらず、2014年6月出発分までの旅行はすべて完売。2014年4月から6月出発分の平均倍率は9倍にも及ぶほどの人気だそうです。

その人気を支えるのが「最高のおもてなしに欠かせない舞台装置」にある。
車内に入ると、細部まで徹底して作り込まれたデザインの調度品の数々。1号車のラウンジカーは、昼は休憩所、夜はBarになりピアノの生演奏が聴ける。組子欄間が至るところに使われており、客室ごとに模様が異なる。トイレから窓ガラス、照明、ドアの取っ手まで。勿論、外装も含めた全てのものに最高の材料で最高のデザインが施されている。

「世界一の車両を作るぞー!」という言葉から始まり、「もう一度同じものを作れと言われても、おそらく作れないだろう」。と開発にかかわる人々が口にする。それほど、完璧に作り上げられた列車。日本を代表する列車。いや、世界を代表する列車だと思う。

今の時代に合っていない、逆行している。
と思う人がいるかもしれません。
いかに、安いものを提供する。いかに、サービスがいいかを競い合う。最高のおもてなしを、最高のデザインでする、その潔さ。
クリエイティブに携わる人間として、何か心の中のわだかまりが、すっとぬぐい去られた爽快感まで覚える。そんな感動がありました。
お金と時間に余裕があるならば、一度は乗ってみたいですね。
(文=Y.K)

日経トレンディネット「『ななつ星』のおもてなし、実は圧倒的な技術が支えていた!」より

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